近年、インターネットや通信の主流(?)となっている「光通信」、とは何なのかについて説明したいと思います。
まず、光通信の説明の前に従来の電気通信から説明しなければなりません。
さて、従来の気通信は下図のように電気信号を用いた通信方法です
電気通信
しかし、これにはいろいろと欠点があり、距離が離れれば離れるほど通信速度が遅くなる、大容量のデータを送信するのに時間が掛かる、高画質の画像が送れない、ノイズ(雑音)などが入ってしまうといった点です。
そこで、その欠点を無くしたものが「光通信」なのです。
さて、光通信で用いる「光」の速度は約秒速30万kmこれは1秒間に地球を7周半してしまうスピードです。しかし、これは電気の速度とそれほど差は無いそうです。では、なぜ「光通信」の方が通信速度が速いのでしょうか。
それは、電気が流れるときに抵抗が起きるからなのです。
これは、物理の基本なのですがどんな金属も少なからず電気が流れると抵抗が起きてしまいます。そのせいで距離が離れれば離れるほど速度が落ちてしまうのです(光でも似たようなことが起きますがそれは、光ファイバーのときに説明します)。
では、光が速いとわかったところで「光通信」の仕組みを説明しましょう。
実のところ光通信は下図のように電気通信とそれほど変わりません。変わった点は「光ファイバー」を用いた点ぐらいです。
光通信
ではその「光ファイバー」について説明しましょう。
光ファイバーは下図のようにクラッドとコアというものから成っています。コアはクラッドより光の屈折率が高いため境で光が反射して外に漏れないそうです。
光ファイバーの仕組み
実はこの光ファイバーは一本が私たちの髪の毛より細いそうです。それを数十本の東にし、水や熱、小さな動物などから守る保護膜に覆われているものが普段見る電線などとともに引かれている光ケーブルなのです(光ファイバー1本で電話の音声2千人分の情報を送ることができるらしい)。
しかし、最初から上手くいったわけではありません。光ファイバーの原理は1854年にイギリスの物理学者チンダルが発見し、1960年代に日本の科学者西澤潤一教授によりその構造が開発されました。しかし、開発当時は材質のガラスに不純物が多すぎため光が逃げ易く(光が逃げることを「損失」という)、たった3mで光の強さが半減してしまっていました。そのため、1970年代は不純物を無くし低損失化することが大きな課題でしたが、1980年代に光の強さが半減する距離が20kmにまで伸びたので光ファイバーの実用化が現実となりました。
これを利用したものが「光通信」です。また、従来のアナログ伝送ではなく、ディジタル伝送を用いるので従来の電気通信にくらべてノイズ(雑音)が入らず多量の音声や画像などを送ることができ、速度も速いというわけです。
この、光通信により会社の会議を離れたところから行ったり、世界中のデーターベースから情報を引き出したいとこれからの技術の進歩により私たちの生活がより便利かつ快適になることが期待されたいます。
本当はもっとたくさんの技術が使われているのですがこれ以上説明すると終わらなくなるのでここら辺で終わりにさせていただきます。これを読んで、「物理部って面白そうだな。浅野の入ったら部活は物理部にしよう」って思ってくれるとうれしいかぎりです。ここまで長ったらしい説明を読んでいただきありがとうございます。