生体認証について

村上 渉

生体認証とは?

生体認証とは自分の指紋や虹彩、静脈などの情報をデジタル情報化して端末のロック解除、サインイン、さらには決済までできてしまうというすごいものなんだ!

一言に生体とは言っても指紋、虹彩、顔、静脈...と沢山あるので今回はパソコンやスマートフォン、ATMなどで使われる身近なものに絞ってまとめたいと思います

浅野では先生のほとんどが学校から支給されるSurfaceという顔認証付きタブレットPCをつかっていますが、物理部ではいったい何人の人がそれらの機器を所有しているのでしょうか。物理部でどれぐらいの人が持っているのかというのが次のグラフ(図1)です。(正式に調査したものではなくあくまでも把握している分です。)

指紋と顔で約半数の人がいずれかの機能を使えるということです。

意外と多いのではないでしょうか。大きな要因はiPhoneが指紋認証(Touch ID)を搭載しているからでしょう。

2018年、実に10億台もの指紋認証付きスマートフォンが出荷される予定で約70%の端末に搭載される見通しとなっています。物理部で使っている人はいないと思われますが、電子マネーの普及が結果的に指紋認証付きスマートフォンの普及につながったのでしょう。

仕組みについて

この様に身近な生体認証ですがどんな仕組みなのでしょうか

指紋認証

指紋認証は生体認証の中では歴史が古いものです。そのため一言に“指紋認証”とは言っても沢山の種類があります。

画像を読み取るタイプ

これは比較的古いものでスライド式のセンサーで指紋の画像を取り込み特徴点と呼ばれる指紋のスタート地点、切れ目、分岐点などで認識します。特徴点が多ければ多いほど精度は向上します。(20~40個程度で比較は可能)

電極が埋め込まれているタイプのセンサー(静電容量方式)

これはスマホでも使われるもので、スライドしなくてもよいというメリットがあります。平らな認証部分の下には何万個も電極が埋め込まれていて指紋の凹凸部分を読み取るというものです。これは指がかすかに汗をかいているので凸部分の方がセンサーの電荷がたまりやすいという特性を利用したものです。そのあとはスライド方式と同じように特徴点を読み取り認証します。

尚、シリコン製が一般的ですが、JDI(株式会社ジャパンディスプレイ)がガラス基板を採用して透明にするだけでなく曲面やディスプレイへの埋め込みも可能にしました。(2018年1月発表)

汗孔(汗が出る小さな穴)を第三次特徴として使えるもの

これはまだ開発されたばかりの仕組みで生体認証システムの DDS と東京大学が開発しました。

特徴点を第一次特徴の「指の凹凸によって模様になった渦状紋」、第二次特徴の「分岐点や線の始まり」の他に「汗が出る小さな穴」を第三次特徴とすることで認証の精度を約10倍に高めました。

静電容量方式では汗孔を(十分な解像度がなく)読み取ることができません。

コスト面が課題ですがスマホメーカーや自動車や家の鍵にも採用を目指すそうです。この他にもQualcommの超音波センサーを使ったものなどがあります。

### 虹彩認証

虹彩認証は精度も高く、2015年に富士通のスマホARROWS NXにスマートフォンとして世界で初めて搭載されて話題になりました。虹彩は一卵性双生児でも区別できます。(DNAの塩基配列によって決まらないため。)その特徴は高い認証精度です。網膜と比べて眼球の表面にあるのため撮影も容易で、虹彩パターンの濃淡値のヒストグラムを用います。さらに指紋とは違い直接触れることがないので抵抗も少ないです。

問題点は、目に赤外線を当てて認証するのですが、赤外線のLEDを悪意のある人がそれを取り換えると目に障害が残るということです。

静脈認証

虹彩に次いで精度が高い方式で、ATMなどに採用され利用件数も増えています。近赤外線を当てて認証するので虹彩と同じく機械に触れる必要はありません。近年はセンサーの小型化も進みタブレット PC でも採用されています。

顔認証

この中では認証精度は低く、簡易的なものに用いられます。

赤外線カメラを用いたものと普通のカメラを用いたものがあり、前者が主流です。双子を見分けることが難しく眼鏡や明るさ、顔の表情、加齢などによっても精度は下がります。

ちなみに物理部で顔認証は一人でしたがそれは私です。家族共用のパソコンなのですが父のアカウントに入ることはもちろんできませんし5歳下の弟は私のアカウントに入ることはできません。簡易的とはいってもある程度の精度はあり眼鏡をかけていても読み取ってくれます。

これは声紋を利用したものがよく知られています。これも簡易的なものでその日の声の調子によっては正しく認証しないことがあります。例えばAndroidのスマートフォンの機能としてSmart Lockというものがありますが、それは「OK Google」と発音してロックを解除できます。

まとめ

この様に生体認証は沢山あって便利なものですが欺瞞の方法も数多く編み出されています。例えば指紋認証だとピースサインが映った写真から指紋を特定される危険性があります。(浅野の教頭先生は記念撮影の時指を曲げて見えなくしていました(笑))生体認証だけに頼らず複雑なパスワ-ドと組み合わせるのが良いでしょう。

参考文献

2018/7/20 , 2018/7/21 アクセス

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