投擲について

有馬 慎太郎

はじめに

何故投擲について書こうとしたのかというと、歴史で世界大戦について学習しており、過去の戦いについて大きな役割を果たした投擲武器について興味が湧いた故、書いていきたいと思う。

扱いや特徴

まず投擲の道具(投擲具)と言われて何を思い浮かべるであろうか。円盤、槍のようなものはたまた石を思い浮かべる人もいるかもしれない。実はこれらすべてが投擲具であるのはもちろんの事、手裏剣や催涙弾、漁網までもが投擲具なのである。

そもそも投擲具は人類の発展によって狩猟用にうみだされたものである。

はじめこそ石を投げるような単純かつ威力の低いものではあったのだが、長い年月を重ねた末に投げナイフ、カタパルトといった殺傷能力のある凶器へと姿を変えていった。

それは間接的にいさかいを生み、後々に手を付けられなくなるのではあるが一先ず先に行くとしよう。

投擲道具のすばらしさ

ここでは投擲道具の代表例としてオリンピックで扱われている砲丸投げですばらしさを伝えていきたいと思う。

ここで唐突に物理の話に入るとしよう。

ここでは男子の砲丸の重さ(8kg)で計算する。(空気抵抗や風を考えないものとする。)世界記録は約20m飛ばしているから、水平距離20m、角度θ、時間t、初速度νとすると、\[ tan \theta = \frac{ν}{\sqrt{ν^2+4g}} \]となる。

世界記録を出したバーンズ選手は身長194cmと大きく、体重も140kgそしてとても「手が大きい」ので、約35度で投げたものと思われる。

大抵の選手は首下のあたりから投げるので、 \[ 10 tan \theta = x \]よって約7mである。

よってこれは首下までの高さが1.5mであるから、8.5mからの垂直落下に等しい。

よって地面に与える力は\[ 8.5 × 9.8 × 8.0 = 666.4 \]。そしてこれは軽自動車一台分に相当し、かなりの重さになると分かっていただけたであろう。

投擲の扱われ方

前章によって投擲のすばらしさはわかってもらえたと信じている。

一方、投擲の発明によって人を殺めることが容易になってしまったともいえるであろう。

例えば、カタパルトである。カタパルトと恰好良くいっても投石機の事である。石を投擲して、敵の城や敵自身を攻撃するため攻城兵器と呼ばれていた。その頃はまだよかったのであるが、第一次世界大戦から、科学技術の発展により、フランスは手榴弾を投擲するようになってしまったのである。これによってドイツ軍に大量の死者が出て、白熱させ戦争をこじらせてしまったのは言うまでもないであろう。

まとめ

それからというもの投擲はオリンピック競技での平和の象徴として、一種の競技としてだけでなく、紛争地での手榴弾投げ込みのため、または、デモ鎮圧のための催涙弾の投げ込みのための技術として使われるようになってきている。

我々は、現代の技術が戦争を通じてきたものであり、何のために使うべきなのかしっかりと考えていくべきである。

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