編集後記

永田(高2)

この度は、私達物理部の部誌「Positron 2021」を手にとっていただき、どうもありがとうございます。今年の部誌の編集を担当しました、高校2年の永田です。今年の部誌は2万字級の記事がひとつ、1万字級の記事がひとつ、そして一人で2つの記事を執筆した部員が合計1万字超の記事を書き上げ、全体で100ページもの超大ボリュームの部誌を完成させる事ができました。記事の内容はいかがでしたでしょうか。

さて、今年の部誌では新たな試みとして、記事の下書きをMarkdownにて執筆してもらい、編集と組版(レイアウト)の作業をVivlioStyleというオープンソースのCSS組版ソフトウェアでこなすということを行いました。従来のWordファイルでの原稿提出で課題であった、レイアウト管理の煩雑さを解消し、CSSで部誌全体のレイアウトを一括変更できたことはとても良かったと思います。ウェブ上に公開されているVivlioStyleのテーマをベースに様々な調整を加えて、そこそこ雑誌らしい整った体裁になりました。

また、Wordファイルと異なりMarkdownファイルはシンプルなテキストファイルであるため、校正時にはMarkdownファイルをGitでバージョン管理することで、校正前後の差分を閲覧しやすくするなど細かい事務作業の効率化を図ることもできました。私は今年で部活動を引退することになりますが、MarkdownとCSS組版を駆使した編集のシステムは、ぜひ来年の編集担当にも継承してもらいたいと思います。

ただし、VivlioStyleのCSS組版は非常に細かく高度な編集ができる一方で、組版の難易度は極めて高く、CSSに慣れていない私には厳しいものがありました。そのことは編集の作業時間に現れており、この部誌のすべてが完成したのは文化祭2日前の木曜日となってしまいました。その木曜日の早朝に印刷するという約束で待機してもらっていた顧問の先生には本当に申し訳がありません。部員の皆さんにも多くの作業を手伝ってもらいました。文化祭直前の忙しい中お手数をおかけしたなと思っています。ちなみに、ここで2割ほど責任転嫁をしておくと、木曜の未明になって部誌の原稿を完成させた某部員にはちょっとだけキレております。

こちらの部誌は、私達物理部のウェブサイトにて電子版を公開する予定ですので、ぜひそちらも合わせてご覧いただければと思います。裏表紙にウェブサイトのQRコードを記載してありますのでご利用ください。2018年の部誌ではPDFを直接ウェブに記載し、2019年の部誌ではHTMLを直接記述してウェブ記事のような形にしてきたPositron電子版ですが、今年はVivlioStyleの昨日を用いてついにキ○ドルのような手軽に読める電子書籍が実現できるかもしれません。(実際にどうなるかはこの文章の執筆時点ではわかりませんが・・・)

それでは最後に、この冊子を手にとってくださった皆さんに改めてお礼を申し上げます。そして、この後も引き続き「物理部展丼2021」と「第42回打越祭」をお楽しみください!


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