PC-98でファイル転送 with FTP

中3 S

インターネットが、見たい。

そういう欲求で書こうと思ったわけではありませんが、物理部に書き込み可能なCDは殆どないので必然的にPC-98とのデータ移動は卍フロッピーディスク卍に限られるわけですが、せいぜい数百Kb/sが限度のフロッピー君を書き込み/読み込みを行い(挙げ句の果てにUSB-FDDが壊れた)、その上に物理部の超低速回線でデータをダウンロードしてFDDがある倉庫からPC-98がある教室までフロッピーを運ぶ手間もあるわけですので、相当遅くなるわけです。

しかしLANならどうでしょうか。我々が使用しているLGY-98というLANカードはIEEE802.3という規格でその速度は10Mb/s、実に2HDフロッピー君の20倍の速度です。これならファイルの転送もスイスイできます。素晴らしいですね。ではやっていきましょう。

ドライバの入手

前述の通り我々はLGY-98というLANカードを使用しているのでBuffalo公式サイトからDLしました。自己解凍形式なので適当なディレクトリを作成してその中で実行しましょう。(私はそれを知らずにAドラ直下が地獄と化しました)

ユーティリティ

  • MELCHK.EXE ・・・ カードの状態をチェックしてくれる。
  • LGYSETUP.EXE ・・・ カードの割り込み番号やI/O番号を変えることが可能。

LGYSETUP.EXEで割り込みを変えるのなら変えておき、MELCHK.EXEで割り込み番号と割り込み番号を調べてメモしておきましょう。あとで使います。

両ツールともネットワーク使用中は使えないのでTCP/IPプロトコル(LAN Manager/TEEN等)のインストール前に実行することを推奨します。

1.LAN Managerを試す(失敗)

失敗したことを部誌に書くのもナンですが、インターネットに繋ぐことはできたので主目的を達成できた手段ということで記載しておきます。

LAN Managerの入手

Windows NT Serverのディスクから入手してください。CLIENTS/LANMAN/DOS_NEC/DISKS/DISK1,DISK2,DISK3が必要です。セットアップ内ではDISK2DOS WorkStationDISK3DOS Driversと呼称されます。(そういえばDISKはアメリカ英語らしいですね)

LAN Managerのインストール

DISK1をFDDに挿入してSETUP.EXEを起動しましょう。拡張版を選択し二度違うディスクを挿入することを要求されますので挿入してあげましょう。

その後ドライバを尋ねられますので「その他ののドライバ」を選択し、先ほど入手したドライバのディレクトリ(私はA:\LGY98\)を指定し一つエントリが出てきますのでそれを選択しましょう。

その他のドライバ、の項を選択{width=300px}

するとプロトコル選択画面になりますので「MS TCP/IP NDIS ドライバ」の項を選択してTCP/IPの設定が出てくるまで進めます。これは環境ごとに数値が変わりますが私は下画像のようにしました。

TCP/IP 設定{width=300px}

詳細設定{width=300px}

ワークステーションの設定ではADの設定を行います。(うちのドメイン名は長すぎて入りませんでしたが…)メッセンジャーサービスも「いいえ」にしておきます。

ワークステーションの設定{width=300px}

MS Windowsのサポートは「いいえ」のままでいきましょう。そうすれば設定が完了しますので保存を押し、ドライバのコピーが完了するとドライバの入手の際に決めたI/O番号とINTを打ち込む画面が出ますので先ほど設定した値を入力します。ここで注意なのが先ほど設定した値が割り込みレベル(INT)、今回設定するのは割り込み番号(IRQ)ですので対応関係が以下のようになっています。(割り込み番号に2とか入れると文法エラーを吐かれる)

INT 0INT 1INT 2INT 5
IRQ 3IRQ 5IRQ 6IRQ 12

私は5を割り込みレベルに設定しましたので割り込み番号は12を入れます。これでインストールは終了です。

その後は普通に再起動を行えばPING 8.8.8.8が通るはずですしPING GOOGLE.COMもちゃんと名前解決されて通るはずです。

なぜ失敗か

このプログラム、ドメイン参加機能などを備えた高機能なプログラムなのですが、それゆえにメモリをバカ喰いします。 そのため、東方幻想郷を起動しようとしたらメモリが足りないと言われるわ、封魔録を起動したら音が出ないかったりするわで東方旧作系は全滅だったので、(ノベルゲーと前記のマインスイーパーは動いた)お役御免となりました。

アンインストールしましょう

一応正式なアンインストール手順を示します。

  1. インストールディレクトリ(デフォルトではA:\LANMAN.DOS\)のSETUP.EXEを実行。
  2. Grph → 登録/削除(L) → 削除(R)でダイアログが出るので「はい」を選択する。

アンインストールダイアログ{width=300px}

2.TEENを使おう

LAN MANAGERと比べて停止/再開が容易なのでこちらを使用することにしました。(ちゃんと停止状態で起動することも確認しました。)

ダウンロード

本体

LAN ManagerがDISK三枚だったのですがこちらTEEN本体は77KBという破格の小ささとなっています。(LAN Managerはドライバも内容していたのでまぁ…)

こちらからダウンロードできます。


ユーティリティ類

TEENに対応したユーティリティソフトは数多く存在し、その多くは下記のサイトからダウンロードできます。


今回ダウンロードしたものは以下です。

  • ESEWWW
  • HTML to TEXT converter
  • FTP 0.06
  • MKFTPS 0.06
  • nslookup for TEEN
  • ESESMBC
  • TEEN.LIB
  • ping(TEEN同梱のため不要)
  • ssh2dos for TEEN

使おう

TEEE039C.LZHを解凍してパスを通します。今回の手法ではドライバ側のソフトウェアを使用しますので、解凍したドライバのLGYPKTというフォルダにもパスを通しましょう。そしてTEEN.DEFをいい感じに編集しましょう。コメントが挿入されているので編集はそれほど難しくないはず。

その後AUTOEXEC.BATを編集し、以下を追記します。


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LGYPKT 0x60 12 0xD0
REM 第一引数はソフトウェア割り込みレベルを指定。通常は`0x60`
REM 第二引数は割り込みレベル(IRQ)を指定。
REM 第三引数はI/Oポートアドレスを指定。通常は`0xD0`
SET TEEN=A:\TEEN\TEEN.DEF
REM `TEEN`環境変数にいい感じ設定した`TEEN.DEF`のパスを指定
TEENE
REM TEENを常駐

再起動すればPINGコマンドなども通るはずです。

FTP

KFTP*.LZHを解凍します。中にFTP.EXEがありますのでそれが実行ファイルです。パスでも通しておきましょう。 FTPサイトを捏ねくり回してWindows Serverにインストールしましたので(割愛)、通信していきます。

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ftp> open 192.168.1.90
220 Microsoft FTP Service
ftp> user
(user) administrator
331 Password required
Password:
230 User logged in.
ftp> put
(local-file) readme.txt
(remote-file) readme.txt
227 Entering Passive mode (192,168,1,90,238,164).
125 Data connection already open; Transfer starting.
[      627 bytes][   672 bytes/sec][  0:01][100%][remain   0:00]
226 Transfer complete.
ftp> exit

Windows Server側でもファイルの転送ができました。これで終わりです。

終わりに

これでエミュレータに保存されてるデータを簡単にFTPで引き出せますし、PC-98上で作ったデータを簡単に引き出せます。便利ですね。後ほど大きいファイルの転送をしてみたところ1.6 Mbpsほどは出ていました。満足です。

参考文献

文章中に言及しリンクを貼ったものはページ数の都合上割愛しております。


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