はじめに
私がこれを書きはじめたとき、部誌の最終締め切りまで残り6日でした。
部誌のネタは完全ノープラン。どう間に合わせるか・・・と思っていたところ、部誌を最速で終わらす方法としてRTAを思いついてしまったので書いています。
なお、この部誌では実際にRTAで書く部誌はいま書いているものではなく、RTA用に書いた他の部誌を使用することとします。
RTAとは
RTAとは、ゲームを最初からプレイして実時間でどれだけ早くクリアできるのかを競う遊び方です。実時間で時間を競うことから、リアルタイムアタックと呼ばれており、RTAはReal Time Attackの頭文字を取った略称です。
タイムアタックは海外ではSpeedrunという呼び方でも親しまれており、世界各国で楽しまれているゲームの遊び方です。
そしてそれを部誌でやってみようという訳です。
また、RTAのなかには「どのようなルールでクリアするか」でいろいろなカテゴリーがあります。今回行うのは次のものです。(ちなみに、RTAではこういったルールをレギュレーションといいます。なのでこれ以降はレギュレーションと言う呼び方をします)
Any% ◯◯
Any%ではなんでもありの状態でとにかく最速でゲームクリアタイムを競います。RTAのなかで最も基本的なカテゴリーです。例として、ドラクエ3でゲーム機をホットプレートに押し当ててバグらせたり、ゼルダの伝説関連で無を取得してエンディングへ飛んだりと、バグ技を多用して最速でクリアします。
ちなみに、大体のRTAではAny%のあと(〇〇の部分)に何らかの個別レギュレーションを追加してます。
Glitch
Glitchとは、ゲーム制作者が意図しないバグを利用して、壁抜けや増殖などを起こすことです。簡単に言うならバグ技。”Any% Glitch無し”と書かれている場合、ゲームを正規ルートで最速クリアするということになります。また、本来Glicthはデジタルで起こすものですが、今回に限っては正規手段で部誌を書くときには到底使わない手、自分で考えずに書いたりする行為をGlitchとします。
部誌の定義
RTAをする前に、部誌の定義をしようと思います。
部誌の定義は次の5つとします。
- 部誌とは中高生や大学生などの部活動で発行する冊子
- 明確なテーマが決められており、それに則って書かれている
- テーマに則って最後まで書き「完成」したものである
- なんらかの言語を使用して書いている
- 手以外にもパソコンなどのなんらかの媒体を使用して書いても良い
なぜ定義づけしたかというと、ここで先に言って置かないと「これは部誌なのか・・・?」と突っ込まれるからです。
タイム計測方法
タイム計測は動画を取り、部誌のテーマを明確にし清書を書き始めた瞬間にスタート、完成したらタイマーストップです。
なお、テーマ決めや下準備などはタイムに含めないものとします。
部誌RTA Any% Glitch無し
それでは早速始めたいと思うのですがその前に。
部誌では実際にRTAをしている動画を見せることができないので、クリアチャート(クリア方法のこと)の解説と実際に行ったときの様子を乗せるだけに収めます。
また、RTAで書く部誌の内容は「」ではじめから終わりまで囲うか、画像を貼ります。
1,部誌の内容を極端に短くする
そのまんまの方法です。部誌の定義を満たす範囲でテーマをいじって書きます。
時間短縮のためにタイピングで書きます。
それではスタート
物理部で最も短い部誌
あ
終了です、タイムは10.98秒。
反省点を言えば、タイピングが苦手なのでそれでタイムロスをしてしまい3秒ほど失ったことですね。
次。
2,AIに書かせる
“AIについて”という部誌をAIに書かせます。他を寄せ付けない圧倒的な生成速度の速さと、無料でできるという観点からGemini 1.5 Flash-8B Experimental 0827
を使用しました。また、出来うる限り早く生成するために生成量を300字にするようにプロンプトを書きます。
それではタイマースタート
手順① まずプロンプトを書きます
今回は『「AIのこれからについて」という部誌を300字で書いてください』という文章を書きます
手順② 生成されたものをコピペ
ここに貼り付けた瞬間タイマーストップです。
AIのこれから
近年、私たちの生活に欠かせない存在となったAI。その進化は、ますます加速し、私たちの未来を大きく変えようとしています。 AIは、医療、教育、製造など、様々な分野で活躍の場を広げつつあります。病気の早期発見や治療法の開発、個に応じた学習支援、自動運転など、AIは私たちの生活をより豊かに、より便利にする可能性を秘めています。 さらに、AIは人間の能力を超える可能性を秘めています。例えば、膨大なデータから複雑なパターンを認識し、新しい知識や技術を生み出すことも期待できます。 しかし、AIの進化には課題も伴います。雇用問題やプライバシーの侵害、倫理的な問題など、AIの活用によって生じるリスクをどのように管理していくかが重要です。 AIは、人類の未来を大きく左右する技術です。その可能性を最大限に引き出し、同時に課題を克服していくために、社会全体で議論を進め、適切なルールや規制を整備していく必要があります。
タイマーストップ、記録は7.88秒。
感想としては、生成自体は1.8秒ほどで終わるのですが、生成速度があまりに早いためコピペに手間取ってしまい、それで6秒ほどタイムロスをしてしまったのが惜しいですね。
部誌RTA Any% 300字完走
やっと本題のRTAです。前述した通り、本RTAではGlitch(バグ技)を使用して時間を短縮します。ですが、字数指定もなくGlitchを使用してもあまり面白くならないので字数指定300字を設けます。
また、書く内容は先程のAIが出力した内容を削って300字ピッタリにしたものを書きます。
1.腕を増やす
腕を増やすことにより一人で書くよりも執筆速度を上げます。
手順① 神に祈る
- セルフお賽銭箱を用意し、5円玉をお供えします。
- 腕が増えるようにお祈りします
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手順② 6本の腕に慣れる
- 腕が6本になったので書き始めます
- あとは6本の腕全部に鉛筆を持ち紙に指定の文章を書くだけです。
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手順③ 完成
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タイマーストップ、記録は1分51.00秒。ぴったりですね。
反省点として、腕を6本に増やしたのは良かったですが全員右利きなのと、それぞれの腕が干渉し合ってタイムロスが激しかったのは良くなかったですね。
2.人工言語を制作する
大前提として、日本語という言語はRTAに適した言語ではありません。漢字も多い上に一文字一文字が複雑なため書くのに時間がかかります。なので言語をゼロから制作します・・・と言いたかったのですが。実はこの文章を書いているとき締め切りまで残り1日でかなり切羽つまっており、発音と文法から作る時間はなかったので、文字と早く書くためのルールだけを作ります。
言語制作①英語に変換する
日本語の文章のままだと単語数が多く不便なので、1度deepLで英語に変換します。その結果このような文章になりました。
The Future of AI
AI has become an indispensable part of our lives in recent years, and its evolution is poised to transform our future. AI has the potential to enrich our lives. Moreover, AI has the potential to surpass human capabilities. However, the evolution of AI is also accompanied by challenges. How to manage risks arising from the use of AI, such as employment issues and invasion of privacy, is critical. AI is a technology that will greatly influence the future of humanity. To maximize its potential and at the same time overcome its challenges, society as a whole needs to promote discussion and develop regulations.
この文章を人工言語にしていこうと思います。
言語制作②単語数と種類を調べる
上記の文章の単語数と種類を調べることで、独自の文字と単語を何種類作ればいいか調べます。
調べたところ次のことがわかりました。
- 単語数:107個
- 総文字数:523字(空白抜き)
- 単語種類数:67種
以下、頻出単語とその数の抜粋
- AI:7個
- of:6個
- the:6個
- to:5個
- and:4個
- is:4個
言語制作③文字を作ってみる
言語制作では本来、初めに音素を選びます。pとかtとかaとか、自分の言語にどんな音を使うのかを選び、文字を作って、文法などを作って行くのですが。前述したとおりそんなことをしている時間はなかったので、音素は無視、文法は英語と同一なレトルト人工言語、簡単に言うとなんちゃって人工言語を作ろうと思います。
言語制作②で書いた通り、今回の単語の種類数は67なので文字を4個つくるとすると、
- 1語だけの単語:4種類
- 2語だけの単語:16種類
- 3語だけの単語:64種類
作れるので、最大でも3字書けばすべての単語を網羅できるようになるため4個だけ作ります。 そうしてできた文字がこちらとなります
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ここからこの4種類の文字を使って単語を作っていくのですが、実際の英単語との対応表を全部乗せるのは部誌のスペース的によくないので、頻出単語の抜粋だけを載せます
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言語執筆①実際に書いてみた
とりあえず全単語作り終わったので、書いてみたいと思います。
書き終わったらタイマーストップです。
それではタイマースタート
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タイマーストップ、記録は1分34秒18でした。感想としては、思った以上に早く書きやすかったので日本語の書きずらさというものを痛感しました。
完走した感想
全部やってみて思った感想は、「マルコフ連鎖やら大学数学やってるまじめなやつがいる中、俺だけなんでこんなことやってんだ・・・?」でした。
本当はこれを書いている途中で真面目に”人工言語を作ってみた”という部誌に方向転換しようかとしていたのですが、それをやろうとしたのが締め切りまであと24時間を切った時だったので結局できずにこれを書ききる結果となりました。
後、タイムに関してももっと短縮したかったのですが、私が不器用すぎてあまり短縮できなかったのも少し後悔しています。
まあなんとか書き終えられたのでヨシとしましょう。来年は真面目に作品を作ろうと思います。このRTAの再走者(犠牲者)が出ないことも祈ります。
それでは皆さん、また今度。