1. 初めに
皆さん、自分の名前はありますか? 当然ありますよね。猫じゃあるまいし。 僕の知り合いには自分の持ち物に名前を付けている人がいます。そこまでしている人は珍しいと思いますが、ペットやぬいぐるみには名前を付けているでしょう。まさか愛犬を「犬」と呼んでいることはないですよね。 今回はそれほどまでに日常に浸透している「名前」について語りたいと思います。
2. 由来
そもそも名前はいつから使われるようになったのでしょう。 よく勘違いされるのは古代に使われていた氏姓制度が由来だということです。 古代、朝廷に仕える各氏族には特定の仕事が定められていました。その氏族を「氏」とよんで管理していたのです。有名どころは中臣氏や物部氏ですね。 そして姓とは、朝廷における地位によって決まる呼び名のことです。端的に言えばその人の役職のことです。伴造や国造などが挙げられます(中学受験では教わらないかもしれません) では名字とは何か。名字とはずばり地名のことを言います。そもそも「名」とは名田(個人所有の土地)のことを指します。そしてかつては物の名前を「字」と呼びました。 つまり名字とは土地の名前のことなのです。 ではどうして人々は自分の土地の名前を名乗っていたのでしょうか。これを紐解くには日本語における生き物の数え方がヒントになります。日本語で牛や豚を数えるとき、単位はなんでしょうか。そう、「頭」ですね。では魚は?「尾」ですね。鳥は「羽」です。 品行方正、新進気鋭、八面玲瓏で才気に溢れる皆さんならもう気がついたかもしれません。ズバリ、「食べて最後に残る部位」が単位になっているんです。すげぇ。
では人を数えるときの単位はなんでしょう。ここまで来たら話の流れも見えてきたのではないでしょうか。人は「名」で数えます。人は死ぬと名を残すんです。これは武士が「自分が死んでも後世まで語り継がれたいでござる🤪」みたいなしょうもない考えで戦っていたということではありません。こんなものは武士道じゃないです。 「己が死んでも子孫に名(=土地)を残すでござるよ」ということなのです。これぞ武士道。 武士はそれほどまでに自分の土地にプライドを持っていました。だから彼らは土地名を 名乗ったんですね。一所懸命という言葉にもこれがよく表現されていると思います。 平安時代までは名字を名乗ることは貴族と武士の特権でした。これが室町時代になると農民も名字を名乗り始めます。しかし、こんな状態もそう長く続きませんでした。豊臣秀吉が力を持ち始め兵農分離政策が進められると、名字は支配階級の特権とみなされ庶民はまた使えなくなってしまったのです。江戸時代になると「苗字帯刀」という言葉の示す通り、名字は完全に武士の特権になってしまいました。で、明治維新によって誰でも名字を使えるようになったというわけです。こう見ると庶民が名字を名乗れたのはほんの僅かな時間だけだったということがわかります。良い世の中になりましたね。
3. 小休止
明治維新の時、庶民は名字を自由に届け出ることができたのですがあまりにも恐れ多く庶民が名乗れなかった名字が5つあります。「近衛」「鷹司」「九条」「二条」「一条」の5つです。これらは全て藤原家がルーツで、摂関や太政大臣になるような家柄でした。 九条さんはかの藤原道長の子孫の可能性があるらしいです。 これらの名字の方がいたらぜひ結婚してください。名乗りたいので。
4. 格
姓名診断というものがあります。やったことがある人も多いんじゃないでしょうか。 名前の画数によってその人の運勢がわかる代物です。調べたらすぐ出てくるのでやってみてください。 姓名診断では総格、天格、人格、地格、外格の5つをもとに運勢を占います。 総格とは全ての画数を足したもので、これが最も重要視されます。また、他の格にも影響を与えるのでこの吉凶は重要になってきます。 天格は名字の合計画数です。名字が一文字の場合は一画足して考えます。名字ですから家柄や遺伝的な要素が表れます。一番影響が少ない格です。 人格は名字の最後の文字と名前の最初の文字の合計画数です。性格や才能が表れ、人生にかなり影響しやすい格になっています。 地格は名字の合計画数です。体質や恋愛運が表れます。生まれてから24歳までの運勢が表れるので、どんな青春を過ごすのかはここで決まりますね。 外格は天格+地格から人格を引くと求められます。人間関係や職業運等人との関わりが表れます。外格は大事っぽい感じがしますね。 基本的に大凶、凶、吉、大吉で運勢が出ます。
一旦校長の運勢を見てみましょうか。

めちゃくちゃ良いじゃないですか。やっぱり校長になる人は違いますね。

流石めめ、圧倒的大吉に加え何やら凄そうな格があります。特殊格とはなんなのでしょう。 総格が21、23、29、33、39だとめちゃくちゃすごいらしいです。圧倒的な運勢で地位や名誉をなすがままにできるとか。あながち間違いでもなさそうな感じがします。
最後に僕の親友、祟殺鱟翁君を占ってみるとしましょう。

か、鱟翁ーーーーーーーーーー!!!
これを読んでいる祟殺さん、決して子供に鱟翁という名前を付けないでください。
5. おもろ名字
個人的おもしろ名字をいくつか紹介します。こういう名字も特別感があって羨ましい。
- 小鳥遊: たかなし、鷹がいないと小鳥が遊べるからです。これは知ってる人も多そう。
- 春夏冬: あきなし、秋がないからです。お酒の勢いで作ったんでしょうか。
- 月見里: やまなし、山がないと月が見えるからです。〜なしに味をしめてますね
- 栗花落: つゆり、梅雨に入ると栗が落ちるからです。最近の若者は全員読めそう。
- 一: にのまえ、二の前だから。居酒屋命名シリーズですかね。
- 宇宙: あまりに壮大です。長崎のお寺の家柄だそう
- 神: 14000人ほどいるらしいです。病院で神様〜と呼ばれたら恥ずかしいですね。
きっと生まれてから最初に発した言葉は「光あれ」だと思います。 - 左衛門三郎: あまりにも名前すぎる名字ですね。三男は左衛門三郎三郎になるんでしょうか
- 砂糖: 佐藤さんはよくいますが砂糖さんは30人くらいらしいです。
名前が俊夫だったら「さとうとしお」ですね。 - 浮気: 名は体を表すんでしょうか。
- 平平: ひらたいら、昭和初期に「平平平平臍下珍内春寒衛門 」さんが実在したらしいです。
- 躑躅森: つつじもり、脅威の54画です。もし躑躅森さんが生まれた子供に平平臍下珍内春寒衛門という名前をつけたら出生届を書いているうちに平平臍下珍内春寒衛 門君は一人で歩けるようになっているんじゃないでしょうか。
6. 終わりに
僕が伝えたいことはただ1つ、子供を「鱟翁」や「平平臍下珍内春寒衛門」と名付けるのはやめてあげてください。カブトガニを飼っていて名前に悩んでいる方も鱟翁だけはやめてあげてください。 だらだら書いていたら思いの外長い文章になってしまいました。読みにくい部分もあったかもしれませんが、ここまで読んでいただきありがとうございました。それではみなさん、 素敵な名前ライフを。