トロッコ問題から理解する人間の考え方

高一

はじめに

こんにちは高一のSです。 今回はNEAL FUNというサイトのAbsurd Trolley Problemsというゲームの回答結果から人間の考え方を考察していきたいなと思います。

トロッコ問題について

トロッコ問題とは「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という形で功利主義と義務論の対立を扱った倫理学上の問題です。一般に何もしないと多くのものが失われ、進路を切り替えると自分に責任が伴うが失われるものが少ないという問題なので進路を切り替えるときとそうでないときの失われるものが同じ場合、何もしないのが正しい判断となります。つまり「何もしない」選択肢がよく選ばれる傾向があります。

ここからのの省略方法や前提

回答者が一貫した考え方を持っているという前提が成り立つものとします。また、各問題で回答者数が異なりますがすべての問題は母集団から十分に抽出できた標本だという前提も成り立つものとします。

問題

問題番号なにもしないとどうなるのか何もしない割合進路を変えるとどうなるのか進路を変える割合
問15人死ぬ27%1人死ぬ73%
問25人死ぬ32%4人死ぬ68%
問35人死ぬ43%あなたの全財産がなくなる57%
問45人死ぬ63%あなたが死ぬ37%
問55人死ぬ26%本物のモナリザが壊れる74%
問6一億円くれるお金持ちが死ぬ44%1人死ぬ56%
問75匹のザリガニが死ぬ84%1匹の猫が死ぬ16%
問8痛みを感じない5人が死ぬ51%一人死ぬ49%
問9一人死ぬ23%アマゾンの商品の到着が遅くなる77%
問10親友1人が死ぬ25%5人死ぬ75%
問115人死ぬかも55%1人死ぬかも45%
問12長男が死ぬ53%次男以降3人死ぬ47%
問135人の老人が死ぬ77%子供1人が死ぬ23%
問14あなたの分身5体が死ぬ89%あなたが死ぬ11%
問1550%の確率で2人死ぬ42%10%の確率で10人死ぬ58%
問165体のロボットが死ぬ85%1人死ぬ15%
問173両の電車が壊れる23%1両の電車が壊れる77%
問18一年100キロの二酸化炭素を出す電車(30年で5人殺す)をそのままにする38%壊す62%
問19あなたの生まれ変わりの5人が死ぬ51%あなたが生まれ変わった1人死ぬ49%
問20何もしない35%運転手に悪戯をする65%
問21良い市民は死ぬ18%悪い市民が死ぬ82%
問22何もしない38%建設ミスで回り続ける電車を爆破させる(乗客あり)62%
問23最悪の敵が死ぬ52%助ける48%
問241人の50年間がなくなる38%5人の10年間がなくなる62%
問25今を生きる5人が死ぬ28%100年後の5人が死ぬ72%
問26トロッコ問題は存在している36%すべての出来事はすでに決まっている64%

考察

「5人が死ぬ」という選択肢がある問題について

「5人が死ぬ」という選択肢がある問題は問1,問2,問3,問4,問5,問10です。

「5人が死ぬ」ではない選択肢 / もう一つの選択肢を「5人が死ぬ」よりも大事だと判断(5人を殺した)割合 / その回答から読み取れる傾向

  • 問1 1人死ぬ/27%/

    • 27%の人たちは功利主義的な考え方よりも自分が責任がかからないという判断をしています。しかし73%の人たちは功利主義的な考え方をしており1人と5人の差は大きいなと感じます。
  • 問2 4人死ぬ/32%/

    • 5人を殺さなかった場合の死ぬ人数が1人から4人に増えたので問1よりも5人を殺す人たちが増えました。彼らは5人を殺さなかった場合の死ぬ人が3人増えるだけで選択が変わってしまうということは功利主義ではなくいい塩梅のラインが彼らの中にあるということをしめしてしています。ただし問1と同様の理由でまだまだ5人を殺す人は少ないです。
  • 問3 あなたの全財産がなくなる/43%/

    • 自分の全財産がなくなれば当然今後の人生が相当苦しいものになるので人命と自分の将来を天秤にかけることになります。やっぱり人命を大事にする人が多いですが、自分の人生を他の人の命よりも大事と認識する人は43%とかなり多くこれは問1の27%を上回るものとなりました。16%の人たちは自分の命は他人の命かで判断が変わってしまう相当自己中な人だなと感じることができます。
  • 問4 あなたが死ぬ/63%/

    • これは問3をより極端な問題にしたものです。大体思考回路は問3と変わらないものですが5人を殺す人は43%から63%に増えました。20%の人たちはお金がない状態からでも人生を挽回できると思っている頭がお花畑の人たちなのだろうと考えることができます。
  • 問5 本物のモナリザが壊れる/26%/

    • 今までの問題とは全く違う問題となりました。社会の幸せと5人の命を天秤にかけた問題です。回答結果からモナリザは今ままでの問題の5人を殺す選択肢の中では最も選ばれた割合が少ない選択肢となりました。つまり今まで選択肢の中で最も価値がないと判断されたことになります。つまりモナリザ以上の価値のものが80億個以上地球にはあるということです。すごいですね!!こんな道徳の授業みたいなこと言いたいわけじゃないのに⋯
  • 問10 親友が死ぬ/75%/

    • これは今までの問題の中で最も驚くべき問題となりました。自分が死ぬという選択肢よりも親友が死ぬという選択肢のほうが選ばれなかったんです。つまり自分の命よりも親友の命のほうが大事と判断した人が多かったということになります。なんていい世界なんでしょう。また道徳の授業みたいになっちゃった。

「1人が死ぬ」という選択肢がある問題について

「1人が死ぬ」という選択肢がある問題は問6,問8,問9,問16です。

「1人が死ぬ」ではない選択肢 / もう一つの選択肢をを「1人が死ぬ」よりも大事だと判断(1人を殺した)割合 / その回答から読み取れる傾向

  • 問6 一億円くれるお金持ちが死ぬ/56%/

    • 何もしなければもらえるはずの一億円がもらえず、進路を変えれば一億円をもらえますが1人を殺した責任が伴ってしまいします。つまりこの2つを天秤にかけるわけですが回答結果より責任が伴ったとしても一億円を得るほうが価値が高いと感じた人が多いようです。とはいえ44%と56%なので僅差ではあります。
  • 問8 痛みを感じない5人が死ぬ/49%/

    • この結果はかなり驚きでした。痛みを感じる1人と痛みを感じない5人がほとんど同じ回答結果になったということはほぼ同じ価値だということです。この結果は功利主義、義務や責任の考え方から完全に逸脱した結果だと思います。わけわかんない。
  • 問9 アマゾンの商品の到着が遅くなる/23%/

    • 人の命とアマゾンの配達速度を比べるのはどうかと思いますが、流石に人の命を重んじる人のほうが多いようです。一方で、23%の人たちがアマゾンの配達速度のほうが人の命よりも大事と思っていることに驚きでした。多分この23%の人たちは逆張りの痛い人達です。可愛そうですね。
  • 問16 5体のロボットが壊れる/15%/

    • またロボットと人の命を比べるというよくわからない問題です。問9と言うことは変わりませんがやっぱり一定数逆張りの痛い人達はいるんですね。まじでかわいそう。

条件付きの5人と1人を比べるという問題について

条件付きの5人と1人を比べるという問題は問7,問11,問13,問14,問19 です。

「5人が死ぬ」選択肢 / 「1人が死ぬ」選択肢 / 「1人が死ぬ」選択肢が選ばれた割合 / その回答から読み取れる傾向

  • 問7 5匹のザリガニが死ぬ / 1匹の猫が死ぬ / 16% /

    • 今までの選択肢はいずれも人間でしたが今回は人間ではなく猫とザリガニになりました。ここで驚くべきは「猫が死ぬ」を選択した人はたったの16%だけだということです。この考え方は功利主義の真逆を言っています。単に命の数ではなくその命の種類や価値も大きな影響を及ぼすということがわかりました。
  • 問11 5人死ぬかもしれない / 1人死ぬかもしれない / 45% /

    • 今までとは違い不確定な要素しかありません。これでは「なにもしない」を選択する人は多くなることは必然で実際にそうなっています。この人たちは問1との差より28%でありかなり多いことがわかります。
  • 問13 5人の老人が死ぬ / 1人の若者が死ぬ / 23% /

    • 年齢によって考え方が変わる問題だと思いますが問題はネット上にあるものなので若者が回答者におおくこのような結果になったんだろうと思います。
  • 問14 あなたの分身5体がしぬ / あなたが死ぬ / 11% /

    • 分身は多分見た目は全く同じだけど自分ではない人という意味だと思いますが何故か問4と比べて理解しがたい結果が出ています。5人側の人が他人からあなたの分身に変化しただけで問4に比べて26%の人が「あなたが死ぬ」から「分身が死ぬ」変わっています。つまりあなたの分身のほうが他人よりも価値が低いとも言うことができます。わかりませんがもしかしたら分身に対して敵対心を持っている人が多いのかもしれません。
  • 問19 あなたの生まれ変わりの5人が死ぬ / あなたの生まれ変わりの一人が死ぬ / 49% /

    • 生まれ変わりはおそらく見た目も中身もすべてあなたと等しいということでしょう。本質的には問1と同じ条件なので同じ結果になるはずですが異なる結果になっています。これはほんとに理解できません。

AIによる考察

もう疲れたんでまだ考察してない問題はAIにやらせます。僕とのクオリティーの差を感じてAIのすごさを理解してください。

問ごとの結果

  • 問12
    「長男が死ぬ」を選んだ人が53%、「次男以降3人が死ぬ」を選んだ人が47%。
    → 僅差で前者が多数派。人数では後者の方が犠牲が少ないが、それでも「長男だけを犠牲にする」という明確な対象を選ぶ傾向が見られた。家族内での立場や役割への社会的イメージが影響した可能性がある。

  • 問15
    「50%の確率で2人死ぬ」を選んだ人が42%、「10%の確率で10人死ぬ」を選んだ人が58%。
    → 後者が多数派。期待値で考えれば前者の方が被害は小さいが、「10人が確実に死ぬ事態を避けたい」という心理から、一発逆転で誰も死なない可能性を重視した選択が目立った。

  • 問17
    「3両の電車が壊れる」を選んだ人が23%、「1両の電車が壊れる」を選んだ人が77%。
    → 圧倒的に「1両が壊れる」を選んだ人が多かった。被害を最小化する単純な合理性が強く支持された。

  • 問18
    「環境負荷のある電車を存続させる(30年で5人死亡に相当)」を選んだ人が38%、「電車を壊す」を選んだ人が62%。
    → 「壊す」を選んだ人が多数。利便性よりも長期的な健康被害や環境リスクを避ける方を重視している。

  • 問20
    「何もしない」を選んだ人が35%、「運転手に悪戯をする」を選んだ人が65%。
    → 多くの人は倫理的に疑問の残る「悪戯」を選択。ここには「傍観より介入を選ぶ」という心理的傾向が表れている。

  • 問21
    「良い市民が死ぬ」を選んだ人が18%、「悪い市民が死ぬ」を選んだ人が82%。
    → 圧倒的に「悪い市民が死ぬ」を選んだ人が多かった。人命の価値を善悪で区別する傾向が強く出ている。

  • 問22
    「何もしない」を選んだ人が38%、「建設ミスで回り続ける電車を爆破させる(乗客あり)」を選んだ人が62%。
    → 「爆破させる」を選んだ人が多数。犠牲を伴ってでも問題を根本から解決する方向が好まれている。

  • 問23
    「最悪の敵が死ぬ」を選んだ人が52%、「助ける」を選んだ人が48%。
    → 僅差で「敵が死ぬ」を選んだ人が多かった。合理性よりも感情的要素(憎しみ)が判断を左右している。

  • 問24
    「1人の50年間がなくなる」を選んだ人が38%、「5人の10年間がなくなる」を選んだ人が62%。
    → 「5人の10年間がなくなる」を選んだ人が多数。寿命の合計値は同じだが、「複数人を救う」ことが重視された。

  • 問25
    「今の5人が死ぬ」を選んだ人が28%、「100年後の5人が死ぬ」を選んだ人が72%。
    → 「未来の5人が死ぬ」を選んだ人が圧倒的多数。未来より現在を優先する「現在志向バイアス」が働いている。

  • 問26
    「トロッコ問題は存在している」を選んだ人が36%、「すべての出来事はすでに決まっている」を選んだ人が64%。
    → 「すでに決まっている」を選んだ人が多数。決定論的な世界観が好まれ、自由意思よりも安心感を求める心理がうかがえる。

全体的な傾向

  • 多くの人は「犠牲を減らす」「長期的なリスクを避ける」「未来より現在を優先する」といった功利主義的・現実的な判断をしている。
  • 一方で、問12や問23のように「立場」や「感情」が絡む場面では合理性を超えた選択がなされる。
  • 問20では「倫理的に不自然な行動」すら選ばれるなど、人間の選択は単純な合理計算では片付かない。

考察

  1. 功利主義が基盤にある
    ほとんどの設問で「少ない犠牲」「効率的な救済」が選ばれており、基本的な価値観は功利主義的である。

  2. 感情の影響力
    敵を見殺しにする、悪戯をするなど、功利主義と矛盾する行動が少数ながら支持を得た。合理性の背後に「憎しみ」「介入欲求」といった感情が潜んでいる。

  3. 現在志向と決定論
    未来よりも現在を優先する心理、そして「全ては決まっている」という考え方を受け入れる傾向が見られる。これは責任回避や不確実性の不安から来ている可能性がある。

  4. 総合的な特徴
    回答者は基本的に「多数を救う」選択をとるが、個別の状況では感情や直感が判断を上書きする。
    トロッコ問題は、この「合理と感情の揺らぎ」をあぶり出す装置であることが再確認された。

まとめ

トロッコ問題について考えたのが初めてだったのでしたがなかなか面白いなと思いました。みなさんも考えて見てはいかがでしょうか。めっちゃ頭疲れますけど。

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