The unsuccessful self-treatment of a case of "writer's block"

高一

(改ページ)


先程のページは決して印刷ミスではありません。これは「書くことができないこと」の症例に対する自己治療の失敗と日本語で訳されるDennis Upperによる論文のオマージュです。なぜこのようなものがここにあるのかと思った人もいるでしょう。その理由は簡単です。この文章の執筆日は9月12日の14:00です。締切の7時間後です。印刷前になんとかねじ込むこの文章に何らかの文法的な誤りがあったとしても校閲する時間はありません。 ここで私は物理部流の皆さんに役に立つ期限の伸ばし方を教えていきます。まず提出期限が先の課題については事前に何月の何日に提出するべきか確認を取りましょう。そして、目の前で手帳にメモを取ることで、その日付を確定させます。この場合午後五時二提出せよとあとから言われた場合には23:59分だと思ったという言い訳ができます。

提出期限を過ぎた場合

この場合はまず提出するべきレターボックスの中に猫の死骸を入れます。物理学にはシュレディンガーの猫という有名な思考実験があります。これは、猫と放射性元素のある密閉した鋼鉄の箱の中で、放射性元素の1時間あたりの原子の放射性崩壊確率を50%とし、ガイガー計数管が原子崩壊を検知すると電気的に猫が殺される仕掛けとします。ここで1時間後に猫が死んでいる状態を表す関数は原子が崩壊したかどうかという確率によってのみ語られ猫は生きた状態と死んだ状態の重ね合わせの状態にあるというエルヴィン・シュレーディンガーによって考えられた思考実験です。相手が賢くない場合に備えて説明できるようにしましょう。

これを用いると教員が提出するべきレターボックスを開けるまでは波動関数が収束しないため内部状態が定まらず本当に提出されているかわからないと主張することができます。つまり9/11日の23:59が期限だった部誌も翌七時に担当者がレターボックスを確認するまで伸ばすことができます。

一応これを読んでいる人が教員だった場合を考慮して対処法を教えます。この場合は提出期限を過ぎて提出されたレポートを直ちに削除する設定にすることでシュレディンガーの猫で言う常に観測している状態とすることが可能です。生徒諸君はこの対策をされた場合でもまだ勝つ方法があります。まず、一般的な時計には誤差があります。https://www.nict.go.jp/JST/JST5.html というURLで検索をかけてみてください自分のPCやスマホの時計がどの程度ズレているかがわかります。この誤差によって実際には提出下のにも関わらず削除されたと主張しましょう。

また、仮に担当者がセシウム原子時計を導入していた場合どうすればよいでしょうか。この場合は提出日が6月30日または12月31日であることに賭けるしかありません。この日であった場合うるう秒によって提出物が削除されたと主張しましょう。うるう秒とは、地球の自転によって決まる時刻と原子時計によって決まる時刻のずれが大きくなったとき、時刻のずれを修正するメカニズムです。地球の自転速度は、原子時計と比較されながら観測が続けられていて、地球の自転と原子時計によって決まる時刻の差がプラスマイナス0.9秒の範囲に入るように、うるう秒による調整がおこなわれています。

たとえば西暦1990年頃には、地球は、原子時計を基準にした1日よりも、約2ミリ秒(1ミリ秒は1秒の1000分の1)ほど長くかかって1回転していました。ということは、もしこの状態が500日間(約1年半)続いたとすると、地球の自転と原子時計の時刻の差が1秒に達することになります。そのような場合には、うるう秒として1秒を挿入することによって、時刻の調整がおこなわれます。うるう秒による調整は、12月か6月の末日の最後の秒(世界時)でおこなわれ、それでも調整しきれない場合には3月か9月の末日の最後の秒(世界時)でおこなわれます。地球の自転が遅い(1回転にかかる時間が長い)場合には、59分59秒のあとに59分60秒として1秒を挿入し、その次の秒が0分0秒になります。反対に、地球の自転が速い(1回転にかかる時間が短い)場合には、59分58秒の次の59秒をとばして、0分0秒にすることにより、1秒減らすことになります。実際2025年にも地球の自転が急に加速し、今年の7月10日は2025年中でおそらく最短の日となりました。

提出期限を9〜21時間伸ばしたい場合

私は常日頃からグリニッジ標準時で生活しているためまだ余裕があると思ったと答えましょう。反論はできません。因みにアメリカ合衆国領であるハウランド島とベーカー島ではUTC-12という時間を使っていますが流石に両方とも無人島のためこの時間を使う合理性が疑われます。この場合はニウエに旅行に行くことで「まだUTC-11だと思っていた」という言い訳を使いましょう。(ハウランド島とかに行ってもいいですがおそらく24時間以上かかるので諦めましょう。優しい先生ならgoogle earthで旅行にいったことにしても許してくれるかもしれません)

それ以上遅れそうな場合

最終手段です。時間の連続性について考えてみましょう。これは個人の主観に基づいて決められる可能性があります。主観的時間では9/11は9/12のあとに来ると考えていたと返答しましょう。こういったことは詭弁だと言われるかもしれません。しかし、詭弁だと主張するなら相手に立証義務があります。論理的に詭弁(きべん)を主張するには相手の発言に誤謬(ごびゅう)が含まれていなければなりません。ここでは余白がないので誤謬の解説はできないのですが、ぜひwikipediaを見てみてください。通常信頼できない情報が含まれる同サイトですが、この記事は例まであってかなり興味深いです。話がそれましたが、先に主観時間を定義しなかった担当者の負けです。この場合どの程度遅れても一回目は論破できます。ヤッタネ.

さいごに

これは、おそらくとても役に立つ記事だったと思いますが、自身が社会人になったとき悪用されないように気をつけましょう。これであなたはきっとすべての課題を提出することができるでしょう。評定10/10間違いなしです。ここまで読んでくれた希少な人材の方、ありがとうございました。

出典:国立天文台,National geographic,National Institutes of Health(米国立衛生研究所)

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